Momosaka

[実食レビュー]かつや(仙台戦レビュー)

最近とんでもない頻度で《かつや》に足を運んでおり、今回この文章を書くにあたり過去のレシートを漁ってみたら、今年に入ってから15回も行っていることが発覚した。しかも、そのほとんどが7月になってから行ったものであったが、「サクサクやわらか、ボリューム満点」のキャッチフレーズに偽りなく、サクサクやわらかでボリューム満点の《かつや》の味に飽きる気配もない。そんな《かつや》を素晴らしさを伝えるために、初めてグルメのレビューをやってみたいと思う。

いつもは一人で行くのだが、今回は一人で行って写真を撮るのが恥ずかしかったので、大学時代の友人であるノブナガに一緒に来てもらった。ノブナガという名前だからなのか、そもそも親がファンだからなのかは分からないが、ノブナガは織田信長について異常に詳しく、《かつや》に入る前も「織田信長はかつ丼の食べ過ぎで糖尿病になったことがある、みたいな伝説があるんだよ」と少し食欲がなくなるような豆知識を口にした。それでも僕はいつも通り、かつ丼の「竹」と豚汁の大を注文する。

僕たちのテーブルに料理が届いた。おいしい。いつも通りすごいおいしいのだが、今までグルメのレビューなんて書いたことがないので、なんて表現すればいいのかまったく分からないことに気がついた。ほかのブログを参考にし、無理やり文章にするならば、単純に美味いカツが鋭く、緩やかに、時に変化をつけてピンポイントで口のなかに供給され、食べ終わった後はスタミナも付いた気がする。勝負の前日はかつ丼、みたない風習もあるが、確かに勝てる気しかしなくなる、といった感じでしょうか。とにかく好きです。

あと、もはやグルメではないのだが、ノブナガと《かつや》に行った当日、ノブナガの誕生日だったことが発覚した。かつ丼も食べ終え、そろそろ出よっか、となったところで突然、ノブナガが「おれ今日、誕生日なんだけど知ってた?」と切り出してきた。すっかり忘れていた、というか大学時代からノブナガの誕生日を知らなかったかも。「ごめん」と謝り、「隣がローソンだからケーキ買って食べよう」と提案し、お会計に行く。

そのお会計で店員さんに「いつもありがとうございます」と声を掛けられた。今までそんなことがなかったので少し驚いたが、これまで《かつや》に行った16回のうち、半分くらいがこの店舗だったので覚えられていても不思議ではない。「こちらこそ、いつもありがとうございます」とお礼を言い、店を後にする。

早速ローソンにいったが、デザート類はロールケーキしか残っていなかった。ほんとうはショートケーキが良かったが、「おめでとう」と言いながらロールケーキをノブナガに渡した。ありがとう、とお礼を言ってもらえたが、あまりにも誕生日感がないので恥ずかしながら手拍子をしてみると、「やっと誕生日らしいのが聞けた」とノブナガが笑いながら、「歌は?」とこっちを見てくる。「今度ね。ロール以外も用意して盛大に歌うよ」と誤魔化した。

別れ際、「そういえば織田信長がかつ丼のせいで糖尿病ってほんとうなの?」と聞いてみたが、ノブナガは「いや、そんな時代にかつ丼なんて存在しないだろうし、都市伝説みたいなもんだよ。おれも知恵袋でみただけだし」との答えが返ってきた。ああ、そう、と思いながら「でも可哀そうだね。こんな美味しいものを食べられないまま死んじゃったなんて」と呟くと、ノブナガが「まあ、おれが食べたから大丈夫だ。きっと織田信長も喜んでるよ」と言った。「ん?」「おれは織田信長の生まれ変わりだから」「ああ、そう」真面目に話しているようにも見えて、会話のゴールが見つからない。さらにノブナガが「だからお前は織田信長と一緒に《かつや》に行った男だ。自慢できるだろ?」と続けた。「確かに。織田信長と《かつや》は自慢できる」「しかも誕生日に。だから、おれにお礼言いな」なんだそのロングパスは。しかし、この不思議な会話のゴールが見つかった。僕は同じ大学で育った友人のアシストを受け、「来てくれてほんとうにありがとう」とゴールを決める。