Momosaka

than “Iwamasa” k  you “Tashiro”

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2018年、長年に渡ってカシマの空を飛んできた二人のプレイヤーが現役生活に幕を閉じることが発表されてしまった。田代有三、そして岩政大樹。2007年に十冠制覇を果たし、その後に続く黄金時代を語る上で、絶対に欠かすことが出来ない二人だ。

鹿島というクラブは背番号の伝統を大切にする。そのクラブで岩政と田代は偉大な先人から「3」と「9」を受け継いだ。岩政はかつて秋田豊が背負った3番、田代は多くの助っ人ストライカーや自身のアイドルでもある鈴木隆行も背負った9番だ。そして2人はレジェンドたちの想いも受け継ぎ、Jリーグ史上初の三連覇を果たした。

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ガンバ大阪戦に続き、名古屋グランパスにも大敗。優勝が絶望的になった状態で、柳沢敦が負傷。2007年のリーグ戦も残り9試合となり、カシマスタジアムで行われたアルビレックス新潟戦ではマルキーニョスの相棒を田代有三が務めることになり、ベンチには佐々木竜太と興梠慎三が入った。

試合は開始早々の3分、新潟に先制点を許す苦しい展開となった。それでも11分、新井場徹が左サイドからクロスボールを入れると、小笠原満男が折り返した先にいたのは田代有三。このゴールでクラブは復活を遂げた。33分、田代有三が再び大仕事を果たす。内田篤人のクロスをダイビングヘッドで叩き込み、逆転ゴールを獲得。憧れの鈴木隆行と同じように大事な試合でゴールを決めた田代有三が、左胸を叩く。

鹿島は後半にも野沢拓也が追加点を決め、3-1で勝利。試合後、「今日がラストチャンスだと思っていた」と口にした田代有三はゴール裏のスタンドに登り、「全部勝ちます。最後まであきらめません」と叫んだ。残り8試合。すべて勝っても優勝が決まる訳ではない。それでも、鹿島が諦める訳がない。5年ぶりのタイトルに向け、悲願の10冠制覇に向け、新たなる黄金期に向け、鹿島が大きな一歩を踏み出した。

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残留争いに巻き込まれている相手からゴールが奪えない。その相手とは、かつてのライバルであるジュビロ磐田だ。今季、得点を量産してきたマルキーニョスともう一人のコンビも不発。60分には中盤の数を減らして田代有三を投入したが、ゴールが入ることなく後半のロスタイムまで突入した。連覇を狙う鹿島に残された時間は、あと4分。その時間も名波浩と中山雅史といった経験豊富な選手を投入して勝ち点1獲得を狙う磐田を崩すことが出来ないまま、どんどんと減っていく。

マルキーニョスが左サイドで倒れ、フリーキックを獲得した。ボールの元には増田誓志が歩み寄る。その増田は少し助走を取ると、すぐさまゴール前にクロスボールを供給。相手の意表を突くリスタート、反応したのは岩政大樹だ。かつて、鹿島の3番を背負って名波浩や中山雅史の目の前で大事なゴールを叩き込んでいた秋田豊を彷彿させるヘディングシュートを叩き込んだ。

ボールがゴールに吸い込まれると同時に岩政大樹はピッチに倒れ込む。犯人は新井場徹だ。結果、岩政大樹はもみくちゃにされ、鹿島アントラーズは勝ち点3を獲得する。そして、虹が掛かるカシマサッカースタジアムに駆け付けた鹿島サポーターは数分後、オズワルド・オリヴェイラの演説に狂喜することになる。連覇まで、あと1試合。

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三連覇まで、残り10分。内田篤人のクロスからもぎ取ったゴールを守り切れば、前人未踏の三連覇が決まる。ロングボールを多用してくる相手に苦戦するも、岩政大樹を中心に弾き返す。田代有三がピッチに入った。その田代も相手のロングボールを弾き返し続ける。

相手はひたすらロングボールを蹴り込んでくる。それを岩政大樹が頭で弾き返す。前線にボールが繋がると、田代有三が必死にキープ。ゴールを決めるだけが鹿島の9番の仕事じゃない。エゴを捨て、勝利の為に時間を稼ぐ。再び相手ボールになるが、鹿島の伝統である3番を背負う岩政大樹が中心となった最終ラインが崩れることはない。相手にセットプレーが与えられるが、自陣に戻ってきた9番も高さで存在感を発揮。ゴールネットが揺れることがない。3番は声を出し続けている。試合後のコメントは必要以上に喋りすぎと感じることもあったが、ピッチの上ではとても頼もしく見える。相手サポーターで埋め尽くされたスタジアムにタイムアップの笛が鳴り響き、スタジアムの一角から歓声が爆発する。小笠原満男がカップを掲げた。

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2人ともワン・クラブ・マンではない。鹿島を退団後、複数のクラブでプレーした。しかし今現在、彼らのことが好きではない鹿島サポーターは限りなく少ないだろう。鹿島で多くのタイトルを獲得した2人は、退団した後も鹿島のことを愛してくれていた。一緒にアジアを勝ち取ることが出来なかったことが唯一の心残りであったが、クラブ史上初の快挙にも貢献してくれたことにお礼を言いたい。

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相手はひたすらロングボールを蹴り込んでくる。それを昌子源が頭で弾き返す。前線にボールが繋がると、鈴木優磨が必死にキープ。ゴールを決めるだけが鹿島の9番の仕事じゃない。エゴを捨て、勝利の為に時間を稼ぐ。再び相手ボールになるが、鹿島の伝統である3番を背負う昌子源が中心となった最終ラインが崩れることはない。相手にセットプレーが与えられるが、自陣に戻ってきた9番も高さで存在感を発揮。ゴールネットが揺れることがない。3番は声を出し続けている。試合後のコメントは必要以上に喋りすぎと感じることもあったが、ピッチの上ではとても頼もしく見える。相手サポーターで埋め尽くされたスタジアムにタイムアップの笛が鳴り響き、スタジアムの一角から歓声が爆発する。小笠原満男がカップを掲げた。